2013年4月15日月曜日

Exchange 2010と2013共存時のパブリックフォルダーの操作

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今日は、Exchange 2010 とExchange 2013共存の時に、パブリックフォルダーについての操作などを紹介しておきます。

 

☆環境

・Exchange 2010 SP3(パブリックフォルダーあり)

・Exchange 2013

 

以下の操作はExchange 2013のEMSで行う。

・Exchange 2013側でパブリックフォルダーメールボックスを作成
    [PS] C:\Windows\system32>New-Mailbox -PublicFolder -Name pfmbx01 -Database ex13db01
    既存のパブリック フォルダーの展開が検出されました。既存のパブリック フォルダー データを移行するには、-HoldForMigration
    スイッチを使用して新しいパブリック フォルダー メールボックスを作成してください。
    + CategoryInfo          : NotSpecified: (:) [New-Mailbox], RecipientTaskException
    + FullyQualifiedErrorId : 27817D4E,Microsoft.Exchange.Management.RecipientTasks.NewMailbox
    + PSComputerName        : w12ex13.contoso.local
    
「既存のパブリックフォルダーの展開が検出されました。。。」というようなエラーがでました。Exchange2010のパブリックフォルダーが既に存在しているため、Exchange 2013ではHoldForMigrationスイッチを指定しないとパブリックフォルダーメールボックスを作成できないらしい。
    [PS] C:\Windows\system32>New-Mailbox -PublicFolder -Name pfmbx01 -Database ex13db01 -HoldForMigration
    Name                      Alias                ServerName       ProhibitSendQuota
    ----                      -----                ----------       -----------------
    pfmbx01                   pfmbx01              w12ex13          Unlimited

HoldForMigrationをつけると作成出来ました。

 

・作成したパブリックフォルダーメールボックスを確認

        [PS] C:\Windows\system32>Get-Mailbox -PublicFolder -Identity pfmbx01 | fl name,exchangeguid,servername
        Name         : pfmbx01
        ExchangeGuid : 7ee84eaf-8b83-425e-9945-e51a64a7ad80
        ServerName   : w12ex13

[PS] C:\Windows\system32>Get-OrganizationConfig | fl rootpublicfoldermailbox,Lockedformigration
RootPublicFolderMailbox : 7ee84eaf-8b83-425e-9945-e51a64a7ad80

作成したパブリックフォルダーメールボックスがルートになっていることがわかる。

 

・パブリックフォルダーを作成

        [PS] C:\Windows\system32>New-PublicFolder -Name pf01 -Mailbox pfmbx01
        アクティブなパブリック フォルダー メールボックスが見つかりません。この状態は、パブリック フォルダー メールボックスがプ
        ロビジョニングされていない場合、または HoldForMigration モードでプロビジョニングされた場合に発生します。現在、移行の実
        行中ではない場合は、パブリック フォルダー メールボックスを作成してください。
            + CategoryInfo          : NotSpecified: (:) [New-PublicFolder], ObjectNotFoundException
            + FullyQualifiedErrorId : F41E6A8D,Microsoft.Exchange.Management.MapiTasks.NewPublicFolder
            + PSComputerName        : w12ex13.contoso.local

pf01というパブリックフォルダーを作成しようとすると、上記のエラーがありました。

これは、既定の動きだそうです。HoldForMigrationモードでパブリックフォルダーメールボックスがロックされるため、パブリックフォルダーの階層を作成できない。共存の場合は、パブリックフォルダーのマイグレーションが完了しないとダメらしい。

KBがありました。

http://support.microsoft.com/kb/2786607/en-us

 

パブリックフォルダーの移行はまだ確認中。

以前のバージョンから Exchange 2013 にパブリック フォルダーを移行する

 

・パブリックフォルダーメールボックスの削除

        Get-Mailbox -PublicFolder -Identity pfmbx03 | Remove-Mailbox -PublicFolder

2013年4月12日金曜日

Office 2013 Word,Excel、PowerPointなどのファイルを開けない

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自分のPC(Windows 8、Office 2013)で最近よくWord,PowerPointなどのファイルが開けない現象が起きています。

「保護ビューで開いています」というメッセージが表示されたまま、いつまでたっても開けない。なんかいらっときます。

画面は以下です。

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悩んでいるうちに、開けないファイルがほとんどネット上からダウンロードしたファイルであることに気づきました。ファイルのプロパティを見てみると、「全般」→「セキュリティ」の所で

”このファイルは他のコンピューターから取得したものです。このコンピューターを保護するため、このファイルへのアクセスはブロックされる可能性があります。”というメッセージが表示されている。

これが原因かと疑い、「ブロックの解除」をクリックして再度試してみたら、ちゃんと開くことができました。

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MCP教科書 Windows Server 2012(試験番号:70-410) (EXAMPRESS)

Exchange 2007/2010からExchange 2013へのアップグレード

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Exchange 2007/2010とExchange 2013の共存、2013へのアップグレードについて投稿します。

 

☆サポートされる共存シナリオ

・Exchange Server 2010 SP3

・Exchange Server 2007 SP3 RU10

・Exchange Server 2007 SP3 RU10 + Exchange Server 2010 SP3

 

 

Upgrade from Exchange 2010 to Exchange 2013

http://technet.microsoft.com/en-us/library/jj898583(v=exchg.150).aspx

Upgrade from Exchange 2007 to Exchange 2013

http://technet.microsoft.com/en-us/library/jj898581(v=exchg.150).aspx

 

基本的にExchange 2013の管理はExchange Administration Center(EAC)とEMSで行う。

Exchange 2010/2007の管理はEMCとEMSで行う。

 

☆Exchange 2010からのアップグレード

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☆Exchange 2007からのアップグレード

レガシ名前空間の作成が必要

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☆共存時OWAの接続フロー

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☆クライアントProtocol Connectivity Flow

Exchange 2007のユーザーがExchange 2013名前空間へアクセスする場合と

Exchange 2010のユーザーがExchange 2013名前空間にアクセスする場合

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2013年4月11日木曜日

Exchange 2013/Office 365 パブリックフォルダー アーキテクチャ

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Exchange2013からパブリックフォルダーのアーキテクチャが再設計されました。

Exchange Team Blogに新アーキテクチャの紹介のPostがありました。ぜひ読んでみてください。

タイトルがPublic folders in new Officeとなっているが、Exchange 2013も同じ。

http://blogs.technet.com/b/exchange/archive/2012/11/08/public-folders-in-the-new-office.aspx

 

・Built on mailbox infrastructure

パブリックフォルダーのコンテンツが普通のメールボックスに保存される。

・No more public folder replication required

従来のパブリックフォルダー複製が不必要。

・Scaling to Internet scale

パブリックフォルダーメールボックス(PF MBX)の容量が足りない時、自動的に新しいPF MBXが追加される。

 

コアコンセプト

☆階層化

・PF MBXごとに「パブリックフォルダー階層」というものを保持。

・パブリックフォルダー階層に書き込み可能なコピーは一つしかない。

・クライアントは階層のRootに接続。

 

☆コンテンツ

・パブリックフォルダーのコンテンツがメールボックスに保存される。

・高可用性サービスによるPF MBXのパッシブコピーがサポートされるが、コンテンツが複数のPF MBXの間に複製されない。

・同一コンテンツにアクセスしている時に、接続しているPF MBXも同じ。

 

☆PFのスケールアウト

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☆可用性と冗長化

普通のMBX扱いで、DAGによる冗長化を実現する。

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☆クライアントからのアクセスフロー

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2013年4月9日火曜日

Exchange 2013 CU1 インストール

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Exchange 2013 CU1時にあった問題をメモしておきます。

・環境構成

Exchange Server 2013二台(兼DC)、DAG構成

 

・CU1インストールファイルを一台目にコピーする

・セットアップをクリックする。すると、
別バージョンの製品が既にインストールされています。。。。のようなメッセージが表示される。
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これを無視して続行し、特別な設定がなく、「次へ」をクリックしたら、正常にインストールできた。

・二台目でもセットアップ起動すると、同じメッセージが表示される。しかし、セットアップウィザードが起動されない模様。何度もやっても結果は同じ。一台目は正常にできたのに、二台目はなぜダメ?と思いながら、深追いはとりあえずしない、既存バージョンをアンインストールすることを決めた。

・「プログラムの追加と削除」でアンインストールを行う。アンインストールのセットアップが表示され、「前提条件の分析」というステップで下記のエラーが出た。
1:このコンピュータはデータベース可用性グループ(DAG)のメンバーです。Exchangeをアンインストールする前に、このコンピュータをDAGから削除する必要があります。

2:アンインストールを続行できません。データベースDB01:データベース"DB01"の複数のコピーが他のサーバー上にあります。アクティブなデータベースを削除するには、まず他のサーバーからすべてのコピーを削除する必要があります。。。。
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☆DAGグループから、サーバー、すべてのコピーを削除することは、結構危ないと思って、削除するのをやめた。他の方法はないか、ネット上で探してみたところ、一個のブログに結構細かい考慮事項、手順など記載されています。

Installing Cumulative Updates for Exchange Server 2013

http://exchangeserverpro.com/exchange-2013-installing-cumulative-updates/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+ExchangeServerPro+(Exchange+Server+Pro)


*準備タスク(主に本番環境向け)
・CUをMicrosoft Download Centerからダウンロードする。
・関連サーバー(AD、Exchange)のバックアップが取れていること。
・カスタマイズ設定を記載するパラメータシートなどがあること。

*CUインストール時の注意点
・インタネット向けのサイトにあるExchangeサーバーに最初にインストールすること。
・[MBX Server First、CAS Server Second]の順番でインストールすること。(MBX,CAS同居の場合は順番気にしなくていい)
・DAGメンバーサーバー、CASアレイメンバーサーバーをなるべく短い期間でUpdate完了させること。

*Mailbox Serverへのインストール
・MBXサーバーをメンテナンスモードに変更する(例:E15MB1のモードをメンテナンスモードに変更)

[PS] C:\>Set-ServerComponentState E15MB1 –Component HubTransport –State Draining –Requester Maintenance

[PS] C:\>Redirect-Message -Server E15MB1 -Target E15MB2.exchange2013demo.com
[PS] C:\>Set-ServerComponentState E15MB1 –Component ServerWideOffline –State InActive –Requester Maintenance


☆DAGメンバーであるMBXサーバーの場合は、持っているDBコピーを別サーバーに移動する必要があるため、以下の操作を行う。
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・Suspend Cluster Node
Suspend-ClusterNode ws201202
・DatabaseCopyActivationを無効
Set-MailboxServer ws201202 –DatabaseCopyActivationDisableAndMoveNow $true
・既定のDatabaseCopyAutoActivationPolicyを確認
Get-MailboxServer ws201202 | select DatabaseCopyAutoActivationPolicy
・DatabaseCopyAutoActivationPolicyがUnrestrictedになっている場合は、Blockedに変更
Set-MailboxServer ws201202 -DatabaseCopyAutoActivationPolicy Blocked
・メンテナンスモードに設定
Set-ServerComponentState ws201202 –Component ServerWideOffline –State InActive –Requester Maintenance

CUのインストールが終わったら、以下のコマンドで元の設定に戻す





[PS] C:\>Set-ServerComponentState E15MB1 –Component ServerWideOffline –State Active –Requester Maintenance

[PS] C:\>Resume-ClusterNode –Name E15MB1

Name ID State
---- -- -----
E15MB1 1 Up

[PS] C:\>Set-MailboxServer E15MB1 –DatabaseCopyAutoActivationPolicy Unrestricted

[PS] C:\>Set-MailboxServer E15MB1 –DatabaseCopyActivationDisabledAndMoveNow $false

[PS] C:\>Set-ServerComponentState E15MB1 –Component HubTransport –State Active –Requester Maintenance

 


*Client Accessサーバーへのインストール
ロードバランサー構成の場合は、ロードバランサーから対象となるCASサーバーを削除する必要がある。(Clientからのコネクションを受け付けないため)。CUインストール終わったら、ロードバランサーに追加する。


*ADの準備
ADスキーマ拡張が必要。コマンドでCUをインストールする場合、下記のコマンドを実行する。GUIでセットアップするときには自動的に拡張される。



  1. Run setup.exe /PrepareSchema /IAcceptExchangeServerLicenseTerms (requires Enterprise Admins and Schema Admins permissions, and must be performed in the same AD Site as the Schema Master on a server with the RSAT-ADDS-Tools feature installed – the Schema Master itself would meet these requirements)
  2. Run setup.exe /PrepareAD /IAcceptExchangeServerLicenseTerms
  3. Run setup.exe /PrepareDomain /IAcceptExchangeServerLicenseTerms in each domain in your forest that contains Exchange servers or mailboxes

 


CUのインストールにコマンドベースとGUIベース2つの方法がある。
コマンド
Setup /m:upgrade /IacceptExchangeServerLicenseTerms


GUI
インストールフォルダーにあるexchangeserver.msiをクリックする


 


*インストール後のタスク
・Rebalance the Database Availability Group




[PS] C:\>cd $exscripts

[PS] C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\V15\scripts>.\RedistributeActiveDatabases.ps1 -DagName E15DAG -BalanceDbsByActivationPreference


・サーバーヘルスを確認



  1. Check the cluster nodes are all up – verify that you have not left any DAG members suspended in the cluster by running the Get-ClusterNode cmdlet on one of the DAG members.
  2. Test service health – use the Test-ServiceHealth cmdlet to verify that all required services are running on each server.
  3. Test MAPI connectivity to every database – use the Test-MAPIConnectivity cmdlet to verify that all databases are mounted and accessible.
  4. Check the database copy status for DAGs – use the Get-MailboxDatabaseCopyStatus cmdlet to verify that all database copies, copy/replay queues, and content indexes are healthy.
  5. Test replication health for DAGs – use the Test-ReplicationHealth cmdlet on each DAG member to verify replication health is good.
  6. Check the database activation policy for each Mailbox server – verify that each Mailbox server that is in a DAG has the correct database activation policy for your environment.
  7. Check server component status – use Get-ServerComponent to verify that you have not left any servers in maintenance mode.

2013年4月4日木曜日

Exchange 2010 回復可能なアイテムフォルダー TotalDeletedItemSize問題

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Exchange 2010では回復可能なアイテムフォルダーはルートフォルダー(自分自身)以外に以下の4つのサブフォルダーがあります。

Deletions
Outlookの「削除済みアイテム」から削除されたアイテムがDeletionsに保存される。

Versions
訴訟ホールドまたは単一アイテム回復が有効な場合、削除されたアイテムの原本と変更されたコピーがVersionsに保存される。ユーザーにはこのサブフォルダーが見えない。

Purges
訴訟ホールドまたは単一アイテム回復が有効な場合、物理的に削除されたアイテムがPurgesサブフォルダーに保存される。ユーザーにはこのサブフォルダーが見えない。

Audits
監査ログが有効な場合、監査ログエンティティがAuditsに保存される。

上記4つのサブフォルダーをクリアしたとしても、Get-mailboxStatisticsで取得したTotalDeletedItemSizeやDeletedItemCountが0にならない状況が発生します。

一体どういうデータなのでしょうか。実体は予定表アイテムです。
MFCmapiというツールで見えます。(Outlookのキャッシュモードを外す必要がある)

2010では既定でCalendar Version Loggingという機能が有効になっています。これが有効になったことで、予定表アイテムが回復可能なアイテムフォルダーのルートフォルダーに保存されるようになります。この機能で予定表アイテムの復元ができるのですが、回復可能なアイテムフォルダーのサイズが膨大になる可能性もあります。実際にiOS6.1 予定表同期でExchange のトランザクションログが急激に増えるトラブルもこれによる問題だそうです。

対策としては、Calendar Version Loggingを無効にするか、定期的に回復可能なアイテムフォルダーをクリアするか、などが挙げられます。

無効にする場合
Set-Mailbox -Identity “testuser1” -CalendarVersionStoreDisabled:$True

削除する場合
Set-Mailbox -Identity “testiser1” -CalendarVersionStoreDisabled:$True

Search-Mailbox “testuser1” -SearchDumpsterOnly –DeleteContent

Start-ManagedFolderAssistant -Identity “testuser1”

参考情報

Exchange 2010 Recoverable Items folder TotalDeletedItemsSize issue!http://msexchangeguru.com/2013/03/29/totaldeleteditemssize/